せき・喘息・胸のつかえに効くツボ「庫房」とは?医師が位置と押し方を解説

中医学のエキスパートである鍼灸師の兵頭明先生が、ツボの効能や位置、効くメカニズムを解説します。健康の土台作りに、不調改善に、1日1分のツボ押しを習慣にしましょう。

ツボ名の由来

「庫」は倉庫を指し、「房」は部屋・空間を指します。肺の気は気戸から庫房に入り、深部の肺に蓄えられるとされています。そのさまを倉庫や部屋に見立てて、庫房と名づけられています。肺の気が集まる場所として、呼吸器の不調に働きかけるツボと考えられています。

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ツボの場所

前胸部の第1肋間、前正中線の両側4寸に位置します。鎖骨のすぐ下、胸の上部にあたります。左右に一対あります。

刺激の仕方

両手の親指、または中指の腹を左右の庫房に垂直に当て、ゆっくりと息を吐きながら少し強く押さえていき、息を吸うときに指を戻します。これを5回繰り返しましょう。押す強さは、心地よいと感じる程度に調整してください。息を吐くときに押し、吸うときに緩めることで、呼吸と連動した刺激が加わります。

効能・作用

せき、喘息、胸のつかえ・張り・痛みなどに働きかけます。肺の気を下降させることにより、せきや喘息を緩和させる作用があります。また、胸のつかえを取り除き、気の巡りを改善することにより、胸のつかえ・張り・痛みなどを緩和させる作用があります。呼吸器の不調が気になるときに、日常のセルフケアとして取り入れやすいツボです。

豆知識

中国の宋代の医学書『鍼灸資生経』には、「せきには、庫房、屋翳、膏肓」という処方が紹介されています。古くからせきの改善に用いられてきた組み合わせです。

ツボ取りに役立つ「同身寸法」

親指の幅を1寸、人差し指・中指・薬指を合わせた幅を2寸、人差し指から小指までを合わせた幅を3寸とする方法です。ツボの探し方としては、ご自身の指の長さや幅から位置を割り出す「同身寸法」という方法が適しています。「自分の体は自分で測る」という考え方で、体格差などから一律に「cm」で表せないツボの位置も、同身寸法なら測ることができます。

この連載では、しばしば「へその上3寸」といった表現が出てきますが、その際には上記の「同身寸法」を用いてツボを取ってみてください。自分の指を基準にすることで、体格に合った正確な位置を見つけやすくなります。

庫房のツボを活用する際の注意点

ツボ押しは日常のセルフケアとして手軽に行えますが、強い痛みがある場合や、発熱、呼吸困難などの症状がある場合は、無理に押さず医療機関を受診してください。また、食後すぐや体調がすぐれないときは避け、リラックスできる時間に行うことが大切です。妊娠中の方や持病のある方は、事前に医師に相談すると安心です。ツボ押しはあくまで補助的なケアであり、必要な治療を代替するものではありません。毎日の習慣として取り入れ、体の声に耳を傾けながら行いましょう。

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